倉敷てまりの創生
倉敷手まりは、倉敷民藝館初代館長の外村吉之介が、熊本の肥後てまりの魅力に魅せられ「倉敷にも独自のものを」と考えたことに始まります。当時、民芸の普及に尽力していた外村氏は、今で言うところのワークショップの様なものを主宰していて、その関係者の婦人メンバーを集めててまり作りの指導にあたったとか。今でも初期のメンバーを含む約10名の婦人方が倉敷てまりを作り続けています。
伝統の製法
作り方は、もみ殻を詰めたものを芯として、木綿糸を使って周囲を巻き、さらにかがり(刺繍)を行います。言葉で書くと簡単そうですが、実際は真円を出すことや色の組み合わせが難しく、外村氏の指導もかなり厳しかったと聞きます。現在でも糸の染色も含めて一つ一つ手作業で作られている倉敷てまりからは、作り手の「伝統を守り伝えよう」という意気込みが感じられる気がします。
素朴さが魅力
そうして作られた倉敷手まりは癒しを感じさせる飾り気のない素朴さが魅力で、海外からの観光客も含めて幅広い年齢層の方にお土産品や民芸品として買われていきます。変わったところでは、クリスマスツリーの飾りとして使われることもあるとか。現在、倉敷民藝館のほか数店舗で購入可能。通常のものよりも小さな手まりもあり、ストラップ・針さし・キーホルダーなど人気を集めている。
一つ一つ模様も違うので、じっくり見比べて気に入ったものを選んでください。